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辞書で調べてみた ⑵ ~倫理と道徳の違いについて~
本題に辿り着くまでに相当な時間がかかったが、
何故この言葉を調べてみようかと思ったのは、
中途で入職された職員に対して行う「高齢者虐待/身体拘束研修」で研修を行っていた際に
ふと自身が話していた言葉からでてきた疑問なのである。
当会では、入職時のオリエンテーション後に必ず行う必須研修がある。
まずは法人理念や行動指針を理解していただくため、施設長に直接研修をお願いしている。
次に「高齢者虐待/身体拘束廃止研修」を行っている。
当施設の副施設長が作成された資料をベースに研修を進めているのだが、その資料の中に
・自分の祖父母、父母と同じ対応ができますか。
・自分の家族に働いている姿を見せることができますか。
と受講者に問いかけている部分がある。
私はいつもその部分の補足説明として「道徳」という言葉や「倫理観」という言葉を使用してきた。
新入職員に対して守るべき事柄を共有しておきたいという意図である。
しかしながら、いつも思うことがある。
道徳心や倫理感って点数化できないし、その人がどんな道徳心を育んできたのかなんて瞬時に測定できる機器はない。
いくら時代がAIに移行しようとも、そこまでを読み解けることなんて不可能であると思っている。
人それぞれ育った環境や境遇が違うことで、物事を捉える価値観は違って当然だ。
だからこそ、結局は長い年月をかけて、同僚としてお互いがどういう人間かという
相互理解を深めていくことが軌道のズレを補正する唯一の方法なのかもしれない。