三月も中旬となり急に暖かくなってきた。
まだまだ寒の戻りがあるのではと警戒しながらではあるものの、寒さに弱い私にとって春の訪れは何よりもの朗報である。
あとは花粉や黄砂の飛散が例年より少ない事を祈るばかりだ。
年度末のルーティンになりつつあるが、今年も新卒研修のカリキュラムを決定する最終段階である。
その過程で毎年度、過去の研修内容とともに自身の新卒時がどうであったのかを振り返るようにしている。
「三つ子の魂百まで」ではないのだが、自身が新卒時に教わったこと、経験したことは意外と忘れずに覚えているものであり、
研修の合間などには失敗談などを交えながら話すように心がけている。
自身の恥部をわざわざ晒す必要はないのかもしれないが、
私の新卒時は、根拠の無い自信で虚勢を張るだけのお荷物社員以外の何物でもなかったように思う。
学生気分が抜け切るのに人の何十倍もの時間を要してしまった。
営業職に従事していたのだが、営業という仕事はある意味で残酷な部分もあり、自分の弱さやズルさが露骨に数字へ反映されてしまう。
当時の私はその姿を隠そうとして強がったり、環境や取引先のせいにして数えきれない失敗を重ねたものであった。
だからこそではないが、職種は違えど、数々の失敗の経験から学んだことは
リアリティをもって伝えてあげたいという思いで新卒を受け入れてきた。
You can take a horse to the water, but you can’t make him drink.
馬に水を飲ませてあげようと思って水辺まで連れて行くことはできる。
しかし、水を飲むか飲まないかは馬自身が決めることであり、無理矢理に人が飲ませることができない。
要するに、周りの人がいろんな機会を与えて支援することはできるが、最終的にそれを実行するかどうかは本人のやる気次第である。
容易ではない難題かもしれないが、今年も愚直に挑んでいきたい。