先日、兵庫労働局より高校生の就職慣行についてのアンケートが届いた。
現行のルールでは、11月までは1社しか応募できず、以降は複数社応募することができるという
就職慣行についてのアンケートであった。
特に今までこの慣行に対し、然したる疑問を抱くことはなかった。
これは採用側という立場で捉えていたからなのだが、
子を持つ親という立場で考えた場合、やや見方が変わってしまうなと何気に感じてしまった。
9月下旬に就職試験を受け、万が一不採用となった場合、約1ヶ月間は何も動くことができないからだ。
少なくともこのタイムラグはいくら学業優先の立場とはいえ、就職希望者にとっては大変苦痛な期間であろう。
指定校求人の生徒さんは比較的不採用になる割合は低いのかもしれないが、
まだ社会経験のない高校生に対して、1社に絞るという事は考えようによっては非常に酷な事なのかもしれない。
ましてやこのコロナ禍において大きく進路変更を余儀なくされた方も多かったのではないかと思うと尚更である。
今は様々な情報がインターネットを検索すれば入手することが可能な時代である。
しかし、コロナ禍以前においても、就職希望の高校生に対しての大々的な企業説明会が行われる等、あまり聞いたことはない。
意外にも、少ない情報の中で就職先を判断しているのではないかと思ってしまったのである。
厚生労働省から毎年10月に新規学卒者の3年以内の離職率が発表されているのだが、
医療・福祉分野に限って言えば、コロナ禍までは40%~50%という軒並み高い離職率で推移していた。
様々な理由により離職していることも重々理解しているつもりではあるのだが、
いわゆるミスマッチによる離職者も一定数いるのではないだろうかと個人的には思っている。
部活動などが忙しく、ワークキャンプなどの職業体験の機会がどうしても制限される生徒さんも中にはいると聞く。
企業側のニーズと学校側の要望とをすり合わせて、もう少し柔軟に対応できないかと思ってしまう。
労働力不足による外国人技能実習生の受け入れ等のニュースをここ数年良く目にするようなった。
諸外国では紛争地や国境に絡む移民問題などが社会問題化しているが、
日本は外国人労働者の受け入れ制度等に関しても、既に近隣諸国より遅れを取っているという。
外国人労働者の議論も大事だが、我々現場の人間は職業選択のミスマッチについて
もう少し深く考える必要があるのかもしれない。