先日、娘の古い教科書などの整理をしていた際、小学生時の卒業文集を見つけた。
内容よりもキラキラとした名前の多さに目が行きがちではあったが、定番の「将来の夢」ページを興味深く見せてもらった。
自身の時代での男の子の将来の夢といえばプロ野球選手やパイロット、警察官が人気であったが、
令和になり、ユーチューバーやゲームプログラマーなど数十年前には存在しなかったような職業が
当たり前のように見られるようになっていた。
また、サッカーやバスケットボールなど様々なスポーツがプロ化したことで野球以外のスポーツ選手も選択肢に入ってきている。
一方で女の子は、教師や看護師、パン屋さん、花屋さん、ケーキ屋さんなど、時代が令和に変わっても数十年前と
さほど変わりないなとの印象を受けた。
このコロナ禍に加え、地震災害や戦争が起こるなど暗いニュースが多く、先行きが不透明な今の世の中ではあるが、
未来ある子どもたちが、夢を持ち続けられる世の中であってもらいたいと願うばかりある。
未だ終息の兆しが見えない新型コロナウィルスだが、一昨年あたりからエッセンシャルワーカーという言葉が
よく聞かれるようになった。確か2020年の新語・流行語大賞にもノミネートされていたように記憶している。
私自身も何となくの意味合いでは理解していたつもりではあるが、ブログを書くにあたり改めて調べてみた。
「エッセンシャル」とは必須、重要、欠かせない、本質的なという意味になり、「欠かせない労働者」と訳すことができ、
医療従事者のみならず、社会生活を支えていくにあたり必要不可欠な職種全てがあてはまる。
当然ながら介護従事者もエッセンシャルワーカーに該当するわけである。
しかしながら、娘の卒業文集においてエッセンシャルワーカーである介護従事者になりたいという小学生は
私が見た限り一人もいなかった。
これが就職を間近に控えた高校生ともなれば多少なりとも変わってくるのかもしれないのだが、
小学生は良い意味でも忖度なく率直な意見を言える立場である。
だからこそ時にはその忖度の無い発言はある種残酷に感じてしまうことがある。
世間一般から見た介護という世界はまだまだ知名度も認知度も低いということであろう。
今日から吉祥会でも新たに新卒職員を迎えることとなり、今まさに新人研修が行われている。
午前中に行われた入職式ではかなり緊張した面持ちであったが、
徐々に柔和な表情となり研修にも前向きに取り組んでいただいている。
孫の卒業文集を見る頃には憧れの職業の選択肢に入る職業であって欲しいと願うばかりである。